研修レポート
山岡 健人 さん

株式会社リバースプロジェクトトレーディングでのOJT
2万人が大挙した“えひめ国体”
炎天下に薄れ行く意識の中、愛媛産品が日本に広まる瞬間を見た

ふるさとプロデューサー3期生の山岡健人です。現在私は、地域資源を活用し新しい価値作りに取り組むふるさとプロデューサー育成支援事業の一環として、高校卒業ぶりに生まれ故郷である愛媛県で生活をしています。

研修生として受け入れていただいたのは、株式会社リバースプロジェクトトレーディング。「国産シルク」をキーアイテムとして多角的に商品を展開し、日々、日本中を飛び回り販路を急拡大する、新進気鋭の企業です。

研修開始から1ヶ月が経った2017年9月30日、愛媛でとある大きなイベントが開催されました。それはえひめ国民体育大会、略して「国体」。今日は、熱気と押し寄せる人の渦の中、奮闘した一日をレポートしたいと思います。
そもそも、国体って知ってました?
恥ずかしながら、生まれて今日に至るまで国体が何たるかを詳しく知りませんでした。せいぜい「年に1回ある、スポーツ大会?」程度の認識で、しばらく運動から遠ざかり不摂生を極める私は、興味を持つこともなく・・・。

そんなある日、リバースプロジェクトトレーディング河合社長より「国体の開会式へオフィシャルに参加できるようになった、これは凄いことですよ!」とお聞きし、調べてみることに。ん?これは想像以上の規模で開催されるビッグイベントのようです!(いまさら)

国体の歴史は古く、第一回目は、なんと1946年。終戦間もない頃、京阪神地域で開催されたのが、その始まり。第3回福岡県大会から都道府県対抗方式が確立し、優勝した県に贈られる「天皇杯」「皇后杯」も、このときに初めて創設されました。

愛媛県で初めて開催されたのは、第8回(昭和28年)。貴重な映像も残されています。



そして今年、64年ぶりに愛媛に国体が帰って来たことになります。競技種目数は37、約2万人を超える方が一挙に愛媛へ訪れ、開催前から街はお祭りさながら。ただでさえ良く見かける「みきゃん※愛媛のイメージキャラクター」はイベントやキャンペーンで、さらに大忙し。中の人も大変です。
そしてやってきた開催初日。
上述のとおり、日本中から人が集まり県を挙げて行う一大イベント。開催初日に私達は何をしていたかと言うと・・・。会場のすぐとなりに併設された大規模物販ブース「みきゃん広場」で、愛媛県営業本部の方々と一緒に、「飲むかき氷」なる商品を必死に販売していました。

前日までは、のほほんと『開会式典に参加し、ブルーインパルスが飛ぶ勇姿を見て、愛媛県選手を応援して、自分もスポーツ欲に火がついたりなんかして…』など、想像していました。

が、正直ナメてました。いつまでも絶えない長蛇の列。なんで、このブースだけこんなに人気なのか。次々に商品が飛ぶように売れていきます。それもそのはず、この「飲むかき氷」、むちゃくちゃ美味しいのです。

愛媛産の柚子シロップをベースとして、たっぷりの氷へ伊予柑&ライム&レモンで調和されたトロトロのシロップをかけ、サクサクのみかんチップと香り高い不知火ピールを添え、まさに「柑橘づくし」の一品。おまけに練乳をトッピングしています。
休む暇もなく、かき氷を作り続ける。
さて、お昼を過ぎても行列は後を絶ちません。炎天下の中、開会式に参加した各県の選手たちが、5個、10個、とチーム単位で買っていってくれます。一口目から美味しい!と感動するその姿を見ながら、少し誇らしい気持ちに。みんな、「愛媛って、凄い」と感じてくれたことでしょう。

ですが・・・しかし、とにかく忙しい。大量の在庫は、用意しても用意してもあっという間に空になり、無心になってシロップの瓶を空け続けます。手はベトベト、周囲には散乱した空き箱、奮戦の様子が窺い知れます。腰は曲がり、肩こりも。あ、ブルーインパルス飛んだ…。

ようやく作業が落ち着いてきたのは、夕方になってから。怒涛の一日が終わり、どっと疲れが押し寄せます。しかし、不思議と満足感も大きく、充実した気持ちになりました。
地域産品が売れる瞬間をリアルに体感。
社会に出てこれまでの経験の中では、頭の中にある企画・アイデア、いわば無形の商品をお客様に提供することが多く、形あるモノを手渡しすることは殆どありませんでした。

このため、自分が作った「地域の商品」が売れ、それに対する感想や喜びの様子を直接的に受け取れる場は、私にとってとても新鮮であり、かつ、感慨深いものとなりました。いずれ、ふるさとプロデューサーとして自身が企画・開発した商品も、同じように喜ばれ、人々から欲され、「新たな価値」となる。そんな日を想像し、今後の研修への意欲が一層高まります。

そんなこんなで、怒涛の一日が終わりました。あ、もちろん次の日は時間をいただき、他の出展ブースを巡ったり、ご当地グルメを食べたりしてビッグイベントを満喫しましたよ!つい先日まで国体の「こ」の字も興味なかった自分がウソのように、今ではとても良い体験としてこのような記事を書けています。
おわりに
ふるさとプロデューサーの活動では、国体への参加のような「商品が手元に届く瞬間(=出口)」を経験することはもちろん、地域資源を活用した商品開発、製造現場への訪問・交渉、ブランディングの手法、販路開拓、情報発信の手法、地域キーマンとの人脈構築、連携の手法などを一貫して学び、即実行する大変貴重な時間を、過ごすことができています。

一日一日が濃厚で、あっという間に時間が過ぎていってしまいますが、研修が終了した頃には、かけがえのない経験を積むことができていると確信しています。具体的に自分で事業を興すこともイメージでき、地域で準備ができるので、ある意味で「腹をくくる」期間なのではないかと思います。

今度、国体が愛媛にやってくる頃、私は70歳〜80歳。そのときには、自分が地域や日本、世界に何を残せたのか、感慨深く答え合わせしながら、飲むかき氷を堪能したいと思います。