研修レポート
佐野 健士 さん

一般社団法人秩父地域おもてなし観光公社OJT研修レポート

一般社団法人秩父地域おもてなし観光公社は、滞在型観光の促進と外国人観光客の増加を目的に、埼玉県秩父市と隣接する横瀬町、皆野町、長瀞町、小鹿野町の一市四町が協定を結び、半官半民の立場で秩父地域の観光を推進しています。

私は、北海道十勝の足寄町役場に15年程勤めていたため、半官半民での観光という、おもてなし観光公社の進め方を学ぶ事で、これまでの行政経験とこれからの民間としての活動を学ぶ上で、得るものが大きい研修先だと思い、おもてなし観光公社での研修を希望しました。

おもてなし観光公社では、上記の目的に沿って、農村民泊や2次交通の検討などを行っており、また地域商社機能を持つために、「LOVE CHICHIBU」プロジェクトを進めており、地域商品のブランド化を図るなどの事業を行っています。私は、その中で秩父地域の農産品を生産者自ら販売できるマルシェの開催や、東京ドームで開催されたふるさと祭り東京への出展などの業務を担わせて頂きました。
西武秩父駅前温泉 祭の湯マルシェの開催
マルシェでは、0から出展者を募るところから関わらせて頂き、生産者の元へ行き、開催主旨の説明を行って周りました。更に1回きりの単発イベントではなく、月に1,2回の定期的なイベントを目指すというミッションも与えて頂きました。

おもてなし観光公社は、これまで宿泊や飲食、お土産品の製造業などの観光業と言えるような事業者との繋がりはあったものの、農業者については、観光農園や民泊家庭くらいの繋がりで、農産品の生産者との繋がりが弱かったため、開催を契機に、農業生産者との繋がりができ、特に秩父4Hクラブという、農協青年部とは別組織の若手農業者グループとの繋がりもでき、地域商社事業として展開していくために必要な生産側の地域情報を得られる体制となりました。

マルシェは研修期間中に、10月と11月の2回3日間開催することができました。来場者や出展者、会場などで協力頂いた西武秩父駅からも、好評を頂くことができました。しかしながら、11月くらいから、農閑期となっており、生鮮品として出せるものが地域内には限界があるという実態も掴めました。

また、定期開催に向けて、イベント自体で自走できるように、出展者から出展料を頂いて、その収入で広告費、ブースや会場準備等の経費にまわして、よりマルシェを盛り上げ、出展者の売上を延ばし、出展希望者も増やしていき、更にイベントをブラッシュアップしていく算段でしたが、その2回の開催で、農産品の単価も低く、売上が伸びにくいことから、想定していた出展料を頂くのは難しいこと、出展準備・出展者の取りまとめなどに、相当量のマンパワーが必要であることなどの課題が出てきました。次年度に向けて、その課題を洗い出しし、経費や労力などを抑えながら定期開催していく方法を検討、提案させて頂きました。

この研修の中で感じた、自分の地域との違いは、農協と農業者の関係性です。私の地域は北海道の十勝という、日本の食料基地とも呼ばれるような地域であるからこそ、作物の品種も含めて、地域の中で一緒に取り組み、大量生産を可能にしています。だからこそ、農業者独自で生産して、自分で売るという農業者は少なく、恐らくこういったマルシェ出展についても、農家個人だけで判断付けられる農家は稀な状況です。

十勝的視点からすると、農協や地域農業組織の弱さのようにも見えますが、これが農業の多様性を産み、マルシェでも複数の農家が、それぞれ異なる農産品を持ち寄り、マルシェ全体の面白さが増すことに繋がっています。秩父農業の可能性を感じました。
ふるさと祭り東京への出展
1月12日から21日までの10日間、東京ドームで開催された「ふるさと祭り東京」出展では、出展内容の企画立案から、開催期間中のブース運営等を担いました。

過去2年のふるさとプロデューサー研修生の先輩たちも、同様にふるさと祭りを研修に位置付けて出展してきており、その成果なども参考に企画案検討していきました。今までの物販での売れ筋などを基に、ベンチャーウィスキーさんのイチローズモルトを中心にした飲食店営業での出展を企画させて頂きました。

研修先からも意見を頂き、ウィスキーだけでなく秩父地域には、日本酒・焼酎にワイン、そして新たにクラフトビールも発売が予定されているという情報を頂き、秩父の全てのお酒を揃えた「秩父Bar」と名付けて、出展企画のブラッシュアップを図っていきました。また、イチローズモルトや秩父に思い入れのある、バー経営者の方も紹介頂き、バーテンダーとして店に立って頂ける事になりました。

研修日程の関係で、最終準備や調整の時期に秩父を離れてしまい、一番大変な部分を研修先のスタッフの皆さんにお任せしてしまいましたが、10日間毎日出展ブースに入り、日本最大級の食イベントを出展者として、体感してくることができました。売上金額としても、目標を超える売上となりました。

企画の意図どおり、ハイボールやウィスキーを出している他の出展ブースも少なく、ウィスキーが好きな方をしっかり取り込み、有名な2社以外にも国産ウィスキーがある事を知らなかったような方も取り込み、バーテンダーの方々の丁寧なウィスキーの説明もあり、売上だけでなくPR効果も同時に高めることができました。同時に、ウィスキー以外のアルコール類も想定よりも多く出たのは、「秩父Bar」のネーミング効果であったと思っています。

一緒に秩父の食も味わってもらいたく、秩父郡4町のおつまみをセット価格で販売しましたが、そちらは想定以上にウィスキーや他のお酒が出たのに較べて、数があまり出なかった、ブースの半分のスペースで物販も行ったが、そちらはBarのレジ数に較べて格段に少なかったなど、反省点も多々ありましたが、私の研修としては、それも含めて学ぶべき事の多い出展となりました。