研修レポート
今田 真紀子 さん

(株)TCI研究所のOJTパリ研修報告

OJT受け入れ先、(株)TCI研究所(以下、TCI)は「伝統は革新の連続 Tradition is Continuing Innovation」を理念に、伝統技術を活かしたデザインプロダクトを開発し、独自のノウハウ・ネットワークを使って海外展開を目指す事業者に対しても提供し、広く伝統産業振興のサポートをする事業を展開されています。

今回のふるプロ研修では、フランスパリで開催される展示会出展に向けての商品開発から、商品撮影、カタログ制作など日本での数か月にわたる準備を経て、1月には本番のパリでの展示会の運営のために渡仏し、スタッフとしてプロジェクトに携わりました。体力勝負の大変な毎日でしたが、得るものも多くありました。

Kyoto Contemporary プロジェクトは京都市とパリ市から委託を受け、TCIがプロデュース、運営するプロジェクトです。今回パリでは複数のプロジェクト(Densanマテリアル、Tokushima、Neo Densan)か進行していましたが、私は現地で主にKyoto Contemporaryを担当しました。

パリ到着後、早速アトリエドパリで開催された展示会(1/9〜17)にスタッフとして入りました。有名なバスチーユ広場より徒歩5分。デザイナーや建築家のプロから、学生、散歩中の地元住民、観光客、日本好きで案内をみて興味をもたれた方など、様々な方が来場されました。他では見たことのない商品に興味をもたれ、一目惚れして購入を検討される方もいらっしゃいました。開発の段階からみてきたに商品について、来場者の生の声を聞きくことは興味深いものでした。

16日はパリ市役所にて、パリと京都の都市交流160周年記念するシンポジウムが開催され、現地入りされたプロジェクト参画事業主の皆さんも参加され、壇上でプロジェクトが紹介されるとともに、伝統工芸のプロモーションも行われました。

17日のアトリエドパリでの展示の最終日にはクロージングパーティーでは、プロジェクト関係者一同が集まり、親交を深める機会がありました。ビジネスライクに終わらせることなく、人と人との繋がりの大切さを感じるひと時でした。短い滞在期間、海外で人員も限られています。パーティー終了後、宴の楽しさは一転し、翌日に控えたメゾンエオブジェ搬入に向け、関係者一同で梱包作業を行いました。終わったのは日付が変わる頃でした。翌日も朝早くに集合し、展示会場への搬入作業を行いました。

事前に経験者から話しは聞いていましたが、世界最大級の見本市、メゾンエオブジェの搬出入の現場は莫大な量の展示品が持ち込まれ、重機が行き交い、施工業者が出入りし、ごった返しています。盗難や物損などが発生しないように、注意が必要で気が抜けず、聞きなれない言葉が飛び交う中、海外にいることを実感しました。

研修中の目玉のイベント、メゾンエオブジェ(1/19〜23)が5日間開催されました。バイヤーは会期中の前半に、学生、一般は後半に多かった印象です。バイヤーたちは皆、決まったスケジュールの中で、ひとつでも多くのブースをまわりたいと思っているので、商談に持ち込めたときには、端的でわかりやすい資料を用意しておくことが重要だと思いました。もたもたしていては、「また来る」といって去っていき、そのまま帰ってきてはくれません。また会期中には京都副市長が視察に訪れたり、会場内で行われるセミナーでKyoto Contemporaryプロジェクトが紹介される機会もありました。

メゾンエオブジェ終了後、展示品を市内マレ地区にあるTCIの運営するギャラリー、アトリエブランマントに搬入しました。この日は朝からプレゼン、Densanマテリアルのアテンド、夜遅くまでかかった搬出入と、研修中もっともタフな1日でした。時差のせいで寝不足になったり、慣れない食事や環境のため、関係者の中には体調を崩してしまわれた方もいらしたので、海外では特に体調管理が大切だと思いました。

アトリエブランマントでの展示会設営では、フランス人と日本人の気質の違いをヒシヒシと感じました。予定では24日の午前中に終わっている予定の施工が、実際に終わったのは25日の18時。オープニングパーティーの1時間前のギリギリでした。スタッフ総動員で設営し、なんとかギリギリ間に合わせました。それでも、施工会社はなんで日本人が慌てているのか理解できなかったようです。海外でプロジェクトでは予定通りにことが進まないことも多々あるので、臨機応変に対応できる体制や心構えが必要だと思いました。

アトリエブランマントでの展示と同時進行で、27日と28日の2日間、市内のギャラリー2箇所にて、Kyoto Contemporary, Neo Densanの商品の一部をテスト販売が行われました。ギャラリーのオーナーは2人とも過去にKyoto Contemporaryプロジェクトに参加したデザイナーでもあり、プロジェクトに関しての知識もあり、快く協力してくださいました。私が配属となったギャラリーのオーナー・デザイナーのChristophe Lhoteさんからは、デザイナー側からのプロジェクトでの体験談なども伺うことができ参考になりました。

今回の研修から、商品を開発し、海外の展示会に出展する事で完結してしまわず、販売に結びつけていくには、市場や価格設定、商品の完成度、マーケティング、ブランディング、PRなど、いろんな角度から商品を検証する必要があることも感じました。

長かったパリ研修、大変なこともありましたが、いろんな体験をさせていただきました。慣れない土地で助けていただいた方々、励ましてくださった方々、お世話になったTCIの皆さん(特に石山さん)、そして応援してくれた家族に感謝の気持ちと共に、研修のレポートと締めくくりたいと思います。